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PERMANENT RESIDENCE

永住許可申請

在留期間が無期限になり、就労の制限もなくなる「永住者」の在留資格。他の在留資格と比べても審査は圧倒的に厳格です。3つの基本要件と、実務上の落とし穴を解説します。

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OVERVIEW

永住許可の基本

永住許可は、活動内容ではなく身分に基づいて与えられる在留資格で、在留期間は無期限、就労の制限もありません。出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」に定められた3つの要件(素行善良要件・独立生計要件・国益適合要件)を満たす必要があります。どれだけ日本に長く住んでいても、知らずに犯してしまった一度のミスで不許可になるケースが後を絶ちません。

永住許可申請は、結果が出るまでおおむね10か月から1年以上の長い審査期間がかかることが一般的です(申請先の管轄によってはさらに長くかかる場合もあります)。申請前の直近5年間に納付の遅れがないか、扶養家族の数に対して年収は適正か、家族全員が社会保険に加入しているかなど、余裕をもったスケジュールで事前に点検してから申請することが重要です。

なお永住許可を受けたあとも、在留カード自体は7年ごとに更新が必要です。要件の詳細な確認や申請書類の作成については、下記よりお気軽にご相談ください。

REQUIREMENTS

3つの基本要件

1

素行善良要件

法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を送っていることが求められます。犯罪歴の有無だけでなく、軽微な交通違反の累積も審査対象になります。

2

独立生計要件

生活保護等の公共の負担にならず、将来にわたって自立した安定生活を送れる経済基盤が求められます。年収の目安や扶養家族の考え方など、実務上の判断基準があります。

3

国益適合要件

在留実績(原則10年以上、うち就労資格または居住資格で5年以上)、税金・年金・医療保険料の適正な履行、現在の在留期間が3年以上であることなど、複数の観点から総合的に判断されます。

GOOD CONDUCT

① 素行善良要件の実務ポイント

犯罪歴の有無

日本の法律違反で懲役・禁錮・罰金などの刑に処せられた履歴がないことが求められます。

軽微な交通違反の累積

意外と多いのが、軽微な交通違反(一時不停止、駐車違反、速度超過など)の累積による不許可です。目安として、過去5年間に数回(おおむね3〜4回以上)の違反があると、素行が善良とは認められないケースがあります。

LIVELIHOOD

② 独立生計要件の実務ポイント

年収の目安

就労ビザから永住申請を行う場合、「直近5年間すべて」において、申請人単独で年収300万円以上あることが実務上の一つの基準です。

扶養家族の考慮

扶養家族(配偶者、子供、海外にいる親など)がいる場合、1名増えるごとに目安年収が「約70万〜80万円」加算されます。

世帯収入の合算

世帯単位で見たときに安定していれば満たされるため、法律婚をしている配偶者の収入を合算することが可能です。ただし、同居して生計を共にしている場合であっても、法律上の夫婦でないパートナー(未婚)の収入を合算して有利に補強することは、原則として認められません。

産休・育休の考慮

過去5年間のうちに産前産後休業や育児休業があり、一時的に年収が300万円を下回っていた期間がある場合でも、休業後に元の勤務先(または同等条件の職場)へ適法・安定して復職していることを疎明資料(理由書など)で説明できれば、一時的な年収低下はやむを得ない事情として柔軟に考慮される余地があります。

NATIONAL INTEREST

③ 国益適合要件の実務ポイント

A. 在留実績(居住年数)のクリア

原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち「就労資格(技術・人文知識・国際業務など)」または「居住資格(定住者など)」で引き続き5年以上在留していることが必要です。たとえば「留学」で5年+「特定技能1号」で5年=合計10年在留していても、どちらも就労期間としてはカウントされず不許可となります。

  • 日本人・永住者の配偶者:実体を伴う婚姻生活が3年以上継続しており、かつ引き続き1年以上日本に在留していれば、10年要件は免除されます
  • 日本人・永住者の実子・特別養子:日本に引き続き1年以上在留していれば足ります
  • 定住者:定住者の在留資格を得てから、引き続き5年以上日本に在留していること
  • 高度専門職(ポイント制):70点以上で「引き続き3年以上」、80点以上で「引き続き1年以上」の在留で永住申請が可能です

B. 公的義務(税金・年金・医療保険)の「適正な」履行

近年の実務で最も審査が厳しく、最も不許可になりやすいポイントです。所得税・住民税のほか、公的年金(国民年金・厚生年金)、公的医療保険(国民健康保険・健康保険)の保険料を「適正に(=納期限内に)」支払っていることが求められます。税金等を最終的に支払った(未納がない)状態にするだけでは不十分で、市区町村が定めた納期限までに1日も遅れずに支払っている実績が厳しく確認されます。特に、会社天引き(特別徴収)ではなく自分で納付書を使って支払う「普通徴収」の方(転職活動中だった方、個人事業主、アルバイト等)は、1度でも数日間支払いが遅れただけで不許可となるリスクがあります。

C. 在留期間「3年」以上の保有

現在有している在留資格の期間が、最長(当面の間は「3年」)のものである必要があります。在留期間が「1年」のままだと、どんなに日本滞在歴が長くても永住申請は受理されません。

COMMON PITFALLS

実務上、意外と盲点になる3つの注意点

① 支払遅れ(遅延)は、後から追納しても「リセット」されない

未納の税金や社会保険料を後からまとめて支払った(追納した)としても、「過去に期限を守らなかった」という事実そのものは消えません。一度でも支払遅れが発生すると、その時点から改めて「直近5年間(ビザによっては1〜3年間)すべての支払いを1日も遅れずに納期限内に履行した実績」を積み直す必要があります。ついうっかりの払い忘れを防ぐため、普通徴収の税金や国民健康保険料、国民年金は必ず口座振替(自動引き落とし)に設定することを強くおすすめします。口座振替であれば、期日通りに引き落とされた履歴が期限内適正納付の強力な証拠になります。

② 世帯全員(家族全員)の公的義務がチェックされる

永住申請では、申請人本人だけでなく、同居している家族全員の課税証明書・納税証明書、年金や保険の加入・納付状況も審査対象となります。配偶者や子供に税金の未納・滞納、健康保険料の支払遅れがある場合、申請人本人が完璧であっても「世帯全体として公的義務を履行していない」とみなされ不許可になります。特に、扶養から外れて自身で年収130万円以上を得るようになった配偶者が、国民年金の第1号被保険者への切り替え・届出を怠って未納・遅延状態になるケースは非常によくある失敗例です。

③ 身元保証人が果たす役割と社会的責任

永住申請には、必ず1名以上の身元保証人(原則として日本人または永住者)が必要です。「身元保証人になると、本人が借金をしたり問題を起こした際にすべて肩代わり(連帯保証)しなければならないのでは」と敬遠されがちですが、入管法における身元保証人の責任は法律上の金銭賠償義務を伴うものではなく、あくまで道義的責任(本人の生活指導や帰国旅費の支援を約束するもの)にとどまります。提出書類として、身元保証人の身元保証書(署名・捺印)のほか、在職証明書、住民票(世帯全員・マイナンバー省略)、直近1年分の所得(課税・納税)証明書等をセットで提出する必要があります。

FEE

費用

入管への手数料
10,000円(許可時のみ、収入印紙)※2026年10月1日から200,000円に改定
当事務所への報酬
165,000円〜(総額)

入管への手数料は2026年10月1日から改定されます。正式な報酬額は、ご相談内容をお伺いしたうえでお見積りいたします。詳しくは報酬表もご覧ください。

FAQ

永住許可申請のよくあるご質問

Q.永住許可の「10年在留」に例外はありますか。

はい。日本人・永住者の配偶者は婚姻生活の実体が3年以上(かつ日本での在留が1年以上)、実子・特別養子は日本での在留が1年以上、定住者は定住者となってから5年以上、高度専門職の方はポイントに応じて1〜3年の在留で足りるなど、要件が緩和される場合があります。ご自身がどの区分に該当するか、まずはご相談ください。

Q.昨年1度だけ住民税の支払いが遅れてしまいました。今から永住申請はできますか。

支払遅れが一度でもあると、その時点から改めて「直近5年間すべてを期限内に適正に納付した実績」を積み直す必要があります。つまり、遅延から起算して一定期間、未納・遅延のない状態を継続してから申請するのが安全です。具体的にいつから申請可能かは状況により異なりますので、遅延の時期や理由とあわせてご相談ください。

Q.家族の年収や納税状況も審査されますか。

はい。申請人本人だけでなく、同居する家族全員の課税・納税状況、年金・保険の加入状況も審査対象です。配偶者やお子様に未納・滞納があると、申請人本人に問題がなくても不許可の要因になり得ますので、世帯全員分を事前にご確認ください。

Q.身元保証人になると、借金の連帯保証人のような法的責任を負いますか。

いいえ。入管法上の身元保証人の責任は、法律上の金銭賠償義務を伴うものではなく、本人の生活指導や帰国旅費の支援を約束する道義的責任にとどまります。ただし、身元保証人ご本人の在職証明書や課税・納税証明書などの提出が必要になります。

Q.在留資格認定証明書交付申請と同じように、外国から呼び寄せる際にも使えますか。

いいえ。永住許可申請は既に日本に在留している方が対象で、「永住者」への在留資格変更許可申請、または出生等による永住者の在留資格取得の申請となります。海外から新たに呼び寄せる制度ではありません。

Q.永住許可を受けたあとも更新は必要ですか。

在留期間そのものは無期限になりますが、在留カード自体は7年ごとに更新申請が必要です。更新を忘れると在留カードが失効しますのでご注意ください。

Q.一度不許可になった場合、再申請はできますか。

可能です。不許可の理由を確認したうえで、独立生計要件や納税状況など何が不足していたのかを分析し、改善したうえでの再申請をサポートします。ご自身で申請された案件、他の事務所にご依頼された案件からのご相談も承っています。

出典:出入国在留管理庁:永住許可に関するガイドライン、出入国在留管理庁:永住許可申請(出入国在留管理庁 公式サイト)。ガイドラインは改定されることがありますので、実際の申請にあたっては最新の情報をご確認いただくか、当事務所へご相談ください。

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山口 忠士代表行政書士
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